お風呂上がりの望遠鏡
二十歳
「うそっ」
「ホントですって。平成2年生まれの、干支は巳年」
言葉を失った。
二十歳ぐらいとは思っていたけど、まさか平成生まれとは思わなかった。
しかも、干支が私と同じ巳年だなんて。
それでも、平静さを装う。
「そうなんだ。それで誕生日はいつなの?」
「7月21日です」
「ホントに?私、22日なのよ」
「マジっすか。何年生まれなんですか」
「ちょっとぉ、それを聞いちゃうわけ?」
「あっ、すいません」
「まあ、いいけど。私は、そうねぇ、押領司クンと同じ干支かな」
「えぇーっ、加奈さんも二十歳っすか」
「そんなわけないでしょ」
私は押領司クンのお尻を思いっきり引っぱたいた。