My princess story ~我は将軍様!?~
始まりは突然に…
《妃奈side 》
土曜日の午後2時。
2階にある私の部屋の窓を開け、蜜留の名前を呼ぶ。
「蜜留ー!!開けて★」
すると、向かいの大きな窓が開いた。
「相変わらずうっせぇな。ほら、早く来いよ。」
寝癖頭をぽりぽりかきながら、スウェット姿の蜜留が言った。
「今行く♪」
そして私は、窓から窓へ飛び移る。
「ひゃっ!」
「おっと!」
こけそうになった私を抱きとめる蜜留。
…いい匂い。
ずっとこのままでいられたらな…。
「妃奈、大丈夫か?」
「あ!うん…大丈夫。ありがとう。」
「おう。気をつけろよ?」
ち、近かった~!
ヤバイ…心臓ばくばくだよ。
でももうちょっとくっついてたかったな…(泣)
一ノ瀬妃奈、16歳。
背が若干小さいことがコンプレックスの女子高生。
私には、幼なじみがいる。
黒城蜜留、同じく16歳。
身長184㎝、小さい顔に長い脚のモデル体型。
切れ長の目に高い鼻、キレイな肌という整った顔立ち。
いつもはダークブラウンの髪をナチュラルにセットしてある最高の容姿。
もちろん、いつでも彼は学校イチのモテboy!
そして、私の大好きな人。
でも6歳からの付き合いだから、今更告白なんて出来ない…。
彼女を作らない蜜留の一番近くにいられる、『幼なじみ』っていう立場に甘えてるだけ。
わかってるけど、この関係が崩れてしまうのは怖い…。
俺様でマイペースな蜜留。
そして、恋に悩む私なのです(涙)
毎日蜜留の部屋に行くのが私の日課。
少しでも側にいたいから。
「おい妃奈!さっきからアホ面になってるぞww 」
「!?う、うるさい///蜜留だってバカ面になってますよーだ。」
思わずムキになって言い返す。
うぅ…こんなことが言いたいわけじゃないのに。
「お前よりはマシだw」
ベッドに横たわり、漫画を読む蜜留。
いつもこうやって二人でぐうたらして終わる。
近くにいられるだけ良いけどね。
うーん…眠い。
私は蜜留の隣に横になって眠りについた。