合コン征服
夜にもかかわらず、強い風が
吹き荒れた。

サァー

小さな、細かい音をたて、
美香のきれいな黒色の髪がひろがった。

1つにまとめられていた髪が、風によってほどかれた。

いつも一緒だったピンクのリボンは、舞い上がり美香のもとを去っていった。

空は、こんなに広かっただろうか?


曇りなく広がる空が、やけに明るく見えた。

夜の黒い空に美香のリボンはすいこまれていった。

いつも一緒だった美香のリボンは美香から離れていった。

無性にさびしくなった。

私たちの関係のようで・・・

美香が、リボンで、私が、美香。

美香が、私から離れていってしまいそうで・・・

涙が、ほほをつたった。

私たちの終わりに見えた。

なのに、その時の美香が、今までで、一番輝いて見えた。
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