S彼


「ばぁか。目くらい閉じろよ」


「えっ…と。だって……」


「ほんと…オマエは昔から鈍くさいよな。今から抱くって言ってんの。空気読めよ」


そうタクに申告されて、ようやく理解した。そしたら、緊張してしまってガクガクと震えがきてしまった。


「なぁに震えてんだよ…。抱いちゃダメなの?」


私はまだ心の準備ができていなくて本当は怖かったんだけど、、、。


ここで「イヤ」って言ったら、きっとタクのことだから「別れる」なんてことも言いかねない。


だから私は。タクに言われるがままに、受け入れてしまったんだ。


タクにしては“優しかった”と思うんだけど…。


そこに愛があったかどうかは、私にはわからない。。。


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