刈人



いつものようにアヤカシを滅していた時だった。


その日は月が出ない、朔の日だったのをよく覚えている。


朔の日はアヤカシがいつもよりも活発になる日だから。


雑魚だと侮った俺が馬鹿だった。


「クソッ」


傷という場所から血が流れ、額には汗が滲み、息は荒い。


俺は近くにあった神社に倒れこみ、アヤカシが入ってこないように結界を張った。


「………」


本殿で仰向けになって、忘れていたことを思い出す。


――朔の日は雑魚であればあるほど、強くなるのだ




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