お兄ちゃん…キス、して?
「うっわ、めっちゃ眠そーな顔!」
「そーなの。
実はあんま寝てなくて…」
ふぁーと欠伸をすれば、夏希に「大丈夫?」と心配されてしまった。
「このくらい平気だよー」
今度はふにゃーと、目の覚めない顔で笑って見せれば、更に眉を下げて見つめてくる。
あれっ!?
私、余計なことしちゃった?
「…お兄さんでしょ?
寝不足の原因って…」
いきなりすぎるその言葉に、少し顔がひきつった。
「うん…」
「やっぱりね…さっきの大丈夫はそういう意味だよ?」
「うん、ありがと…」
親友である夏希は、
ただひとり、私のお兄ちゃんへの気持ちを知っている。