お兄ちゃん…キス、して?
ドタドタとわざとらしい音を立てて、自分の部屋に行く。
バタンッ
ドアを閉めれば、床に鞄を投げ捨て、隣の部屋の壁に耳を傾ける。
「ちょっ…誰もいないんじゃなかったの!?」
「あー?…
俺、そんなの言った覚えねぇけど?」
「っ…最低ッ!」
微かに聞こえてきたそんな男女の怒鳴り声に、私は毎回安心する。
そして、決まって誰とも知らないその女はさっさと出て行く。
これが、
私のする事……。
女が出て行ったのを確認し、私はベッドにダイブする。
「…やっぱり、帰っちゃった」
あー。
早く、来ないかなぁ……。