お兄ちゃん…キス、して?
「ち、ちょっと!このくらいよけないでもいいじゃんっ」
「…俺、ちょっとコンビニいってくるわ」
「えっ、ちょ…」
パタン…
私の声を無視して、部屋を出ていったお兄ちゃん…。
「…ばか。お兄ちゃんのバーカ!!」
お兄ちゃんから、また…。
甘ったるい香水の香りがした。
お兄ちゃんの首元に、また…。
キスマークがあった。
全部、他の女につけられたモノ…。
「もー、ヤだ。嫌だよお兄ちゃん……他の女なんか抱かないで。
彼女なんてつくんないでよぉ…」
枕に顔を埋めながら、震える声で小さくそう叫んだ。
私ひとりになった家には、他に誰もいないから何でも言える…。
居心地の悪い毎日、
唯一安らげるのはこのときだけ。