お兄ちゃん…キス、して?
それを言った人は、
本当に冗談のつもりだったけど。
私は、
その言葉がずっと引っかかっていた…。
……恋?
これって恋なの?
――お兄ちゃんが、
知らない女の人といるのが嫌だった。
――お兄ちゃんを、
女友達に紹介するのが嫌だった…。
あぁ…なんだ。
簡単なことじゃん。
私は、お兄ちゃんに恋をしてるんだ。
今まで、ずっと引っかかっていたこの気持ちは、家族に向けるようなものじゃなくて。
お兄ちゃんを、
男の人として見ている気持ちなんだ。
そう、気付いてしまった私は…。
――心が
少しだけはれて。
またすぐに、
真っ黒に染まっていった___。