お兄ちゃん…キス、して?

こういうの、なんて言うんだっけ?



確か、
誰かが言っていた…。




――――――近親相姦。






プツンと


何かの糸が切れた音とともに。




…頭の中で、
声が聞こえた。



それは、自分の声によく似ていて、自分じゃないような感じだった…。





――分かってる。



これがイケナイことも、
おかしいってことも全部…。



でもね?


気付かないでいた私には、
もう戻れないの。






――――――キモチワルイ





うん…。


だから、この気持ちは言わないよ。




だからお兄ちゃん、
もっと冷たくして…。



大嫌いと、お兄ちゃんに言われたら私。






――きっと
諦められるから。






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