蠱惑的な熱視線
「うん、いいね。最高だ」
「本当に?」
「ああ、いいよ。とても。次、目線こっち頂戴。…ん、ちょっと顎引いて。そう。向きはそのままでいいよ」
熱に浮かされたかのような彼の視線。一身にそれを浴びて、私は彼にねだられるままにポーズをとる。
こんなちんちくりんな私でも、彼の役に立てているというか、彼の生み出す作品の一部になり得るのだからすごいよなあと思う。
と同時に、たまらなくそれが幸せだ。
「いい感じ。…ほんと、いいなぁ。」
噛み締めるように呟かれたその一言に、私は目を見開いた。