蠱惑的な熱視線



私ばかり、意識しちゃってバカみたい。

じんわりと滲みだす視界を誤魔化すために、下を向いて顔をそむけようとすると。



「駄目。こっち見て」



彼の腕がのびてきて、直接カメラの方を──否、彼の顔を直視させられる。



「うん。いいね、その表情。たまらない」



間近でみた彼の瞳は、レンズのように澄んでいた。


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