見透かされた心
ボンヤリしていて作業が進まないまま、講習の時間は終了。


「進んでなかったようですが?」


「…あ、続きはまた来週にし…」


心配して来てくれたけれど、先生の事ばかり考えていた自分が恥ずかしくて消えてしまいたかった。


『来週にします』と言いかけた矢先、先生が「終わるまで帰しませんけど?」と耳元で囁いた。


講習時間が終わり、先生に手を振りながら去って行く生徒達、一人一人に答えながら…

自分の手を、私のマウスを動かす手に重ねた。


生徒達全員が出ると先生は灯りを消す。


「いつも上の空ですね。何か特別な教え方をしましょうか。」


ニッコリと笑うと首筋に唇を触れさせた。


「作業が無事に終わったらご褒美をあげます。出来なければ…お預けですよ?」


「…は、い。」


イケナイとは頭で理解していても身体は反応する。


見透かされた心…もう戻らない。

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