狐さんに取り憑かれました2【短編】






『いえいえ、なんでもありませんよ。……傘がないからお互いずぶ濡れですね。……少年。寒くはありませんか?』




声が出ない所為か。どう返事をすればいいのかと戸惑う少年。




そして、首を横にブンブンと何度も凄い勢いで振った。




首とんじゃいそうです。




『そうですか。ならよかったです。もう少しの辛抱ですからね』




私を見上げていた少年は、表情を緩ませコクリと頷いた。





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