狐さんに取り憑かれました2【短編】
『はい。見れば分かります一目瞭然です』
キリッと答えると、無言で狐さんは私と少年に視線を向けた。
いや、正しくは少年オンリーに視線を向けている。そして私でも分かるほどの殺気を彼に浴びせた。
「!?」
殺気を感じたのか。少年は私に抱きついてギュッと服をつかんできた。
――――キュンッ。
……おっと、可愛さのあまりキュンッなんて普段感じたことのない心臓の動きを体験してしまった。
『ただ、ただ好奇心で彼を家につれて帰るわけじゃないんです』
確かに話しかけたのは好奇心だ。でも、少年の目を見て彼を家に連れて帰ろうと決心した。