ポケットに婚約指輪

 その夜は酷く大胆になっていたようだ。

だから、翌朝目覚めた時に彼の裸を見て、顔を真っ赤にして恥ずかしがったら笑われてしまった。


「今更?」

「い、意地悪しないでください」

「その上目遣いとか、可愛いよね」


朝からの甘いキスに、もう一度幸せな夢に浸りそうになったけれど、仕事があることを思い出して慌てて起き上がる。


「大丈夫。まだ早いから、一度家まで車で送るよ」

「でも、シャワーも浴びなきゃ」

「じゃあ、一緒に入る?」

「は、入りません!」


タガが外れた彼は積極的すぎて、私はしばらく彼に振り回されそうだ。

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