ポケットに婚約指輪
それから二ヶ月後。
私の元に一通の招待状が届く。
引きちぎりたい欲求に駆られながらも、御出席の「御」の字を斜線で消し丸をつけ、脇に小さくしたためる。
『おめでとうございます。どうかお幸せに』
意地でそう書いて、電話の脇にポンと置いておく。
だけど、そのハガキはものすごく存在感があり、
ふと目に入ってただけで彼の幸せそうな顔がちらついて堪らない。
私はそのまますぐコンビニの前にあるポストに投函した。
すぐにでも、手放してしまいたかった。
悔しさのぶつけどころが分からずに、ハガキを飲みこんだポストの上をゴンと叩く。
ごめんね。
赤い顔のあなたは何にも悪くないんだけど。
拳はヒリヒリと痺れるように痛い。
でも、胸の痛みの方が苦しい。
やってしまった途端に後悔してる。
やっぱりこんなハガキださない方が良かった。
何か理由をつけて欠席にしてしまえばよかった。
たった今の行動を無かった事にしたい。
――――でも。
込み上げて来そうな涙を、無理やりに飲み込んだ。
私にだって
プライドくらいあるのよ。
私の元に一通の招待状が届く。
引きちぎりたい欲求に駆られながらも、御出席の「御」の字を斜線で消し丸をつけ、脇に小さくしたためる。
『おめでとうございます。どうかお幸せに』
意地でそう書いて、電話の脇にポンと置いておく。
だけど、そのハガキはものすごく存在感があり、
ふと目に入ってただけで彼の幸せそうな顔がちらついて堪らない。
私はそのまますぐコンビニの前にあるポストに投函した。
すぐにでも、手放してしまいたかった。
悔しさのぶつけどころが分からずに、ハガキを飲みこんだポストの上をゴンと叩く。
ごめんね。
赤い顔のあなたは何にも悪くないんだけど。
拳はヒリヒリと痺れるように痛い。
でも、胸の痛みの方が苦しい。
やってしまった途端に後悔してる。
やっぱりこんなハガキださない方が良かった。
何か理由をつけて欠席にしてしまえばよかった。
たった今の行動を無かった事にしたい。
――――でも。
込み上げて来そうな涙を、無理やりに飲み込んだ。
私にだって
プライドくらいあるのよ。