好きと言えるその日まで
 ―――そして追試日当日。


 「今日は1、2年合同追試だからなー。こっちから右が2年で、こっち側は1年で座れよー」


 2年の数学を担当してるらしい先生が、そう言って指示を出した。


 初めて入る2年生の教室にドキドキしながらそっと足を踏み入れる。


 窓から見える景色が少しだけ低い。


 そんなことひとつにドキドキしながら、こっち側一年と言われた席に座った。


 それからぐるりと見渡す。

 
 勿論習慣だから。


 先輩、いないかなーって。


 けどそんな奇跡は起こるはずもなくて……私はぺたりと頬を机に付けた。
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