好きと言えるその日まで
 始め―――


 先生の合図と共にペラリと用紙をひっくり返して、私はペンを握った。


 名前を書きこんで、一つ目の設問に目を通す。


 うん……多分、解けそう。


 さすがに追試が堪えた私なりに、今日まで必死で勉強してきた。


 まぁ担任に悪かったなーって気持ちも一割程度入れて。


 どうやら解けそうで一安心。


 続いて二問め……と私は集中して試験に取り組んだ。





 ―――カリカリカリカリ。


 解答用紙に書き込む音が室内に響く。


 そんな中、チラリと視線を感じて廊下を見ると、外から中を覗き込む視線に気が付いた。


 ?


  
< 17 / 72 >

この作品をシェア

pagetop