好きと言えるその日まで
 やけに強すぎる視線。


 その視線とバチリと合って慌てて目を逸らす。


 わわっ、やっちゃったっ!


 焦って用紙の方に目を向けてからそろりともう一度廊下を見た。


 やっぱり、こっちを見てる……


 なんて思ったその時



 「んん、ごほんっ」



 漫画みたいな咳をされて、どうやら注意されてることに気が付いた。


 イケない、試験中だった……


 誰も見てないながらもぺろりと舌を出し、私は最後の設問に取り掛かった。

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