好きと言えるその日まで
「卒業式の日! 先輩に花を贈ったの、私です!!」
切り札と言わんばかりにそう言うと、先輩は逡巡した表情を見せてから合点がいった顔をした。
「お前?」
「そう、です」
あの時の女の子、を指して尋ねられたのが分かって頷きながら返事をした。
そしたら手が伸びてきて、ポンと頭に手を置かれた。
すぐさまその手は離れたけど……触れられた頭が熱い気がする。
「アレ、か……」
懐かしいのか、昔を思い出すような表情を見せている先輩。
どうやら少しだけでも私のことが脳裏に残っていたのが嬉しい。
つい表情を緩めて笑みを浮かべていると、そんな私を余所に先輩はごそごそと片づけを始めた。
切り札と言わんばかりにそう言うと、先輩は逡巡した表情を見せてから合点がいった顔をした。
「お前?」
「そう、です」
あの時の女の子、を指して尋ねられたのが分かって頷きながら返事をした。
そしたら手が伸びてきて、ポンと頭に手を置かれた。
すぐさまその手は離れたけど……触れられた頭が熱い気がする。
「アレ、か……」
懐かしいのか、昔を思い出すような表情を見せている先輩。
どうやら少しだけでも私のことが脳裏に残っていたのが嬉しい。
つい表情を緩めて笑みを浮かべていると、そんな私を余所に先輩はごそごそと片づけを始めた。