約束の空【完】

あたしは泣きながら、告白をした。


「なぁ、琴海。琴海が卒業したらオレと付き合ってくれないか?」


「…え」


「イヤか?」


「イヤ、じゃないっ」


「良かった…。じゃぁ、何でそんな悲しそうな顔してる?」


「だって、卒業まで長いんだもんっ」


「ははっ、あっという間だよ」


「……。ねぇ、先生?」


「ん?」


「何で、あたしのこと好きになってくれたの?」


気になっていたことを聞いた。


「琴海の、その笑顔かな。オレの冷めた心を戻してくれた…」


「先生っ!!」


「ん?」


「卒業するまで待っててね?」


「あぁ」


「浮気したらダメだよ?」


「ははっ、それは琴海もだろ」


「あたしは先生だけだもんっ!」


「36歳のオッサンなのに?」
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