約束の空【完】

「あ、先生。あたしに何か用ですか?」


あたしは知輝先生に話しかけた。


「お、そうだった。何か用、じゃなくてもう卒業式だぞ?教室戻れ」


そうだった!!


「あっ、はい。じゃぁね、先生」


浩太先生に手を振り知輝先生と教室へ向かった。


「琴海」


「なんですか?」


「ちょっといいか?」


「……?はい、いいですけど」


先生は空いてる教室に入って行った。


「あのさ」


「はい」


いつもの知輝先生と違って元気がないように見えた。


「卒業したら、お前浩太先生のもんになるから言っとく」


「……?……は、い」


「ずっと琴海が好きだったよ」


「……へっ!?」


思いもしていなかった言葉に変な声が出た。
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