約束の空【完】
「お前が入学してオレの生徒になった時からずっと、だ」
先生はあたしを見つめ言った。
「う、そ…」
先生の言葉が信じられなかった。
だってあの時、背中を押してくれたのは知輝先生だったんだから…。
「嘘じゃないって。でも浩太先生のツライ過去、オレは知ってる。だから琴海なら浩太先生のこと任せられると思ったから、だから引いたんだ」
“でも…”と、あたしから目を逸らした先生。
「やっぱり言わずにはいられなかった、悪い」
そう言って申し訳なさそうに謝った。
「いえっ、そんな…」
正直なんて言ったらいいのか分からなかった。
「あっ、でもさ!お前を困らせようとかそんなんじゃないんだ!ただオレが前に進むために
言わなきゃって。だからこれからも普通に接してくれよな?」
いつもの先生だった。