約束の空【完】
「琴海、泣くなって」
よしよしってしてくれる先生。
「……うん」
あたしは泣きながら助手席に乗った。
先生の家に着いて、いつものように先生は紅茶を淹れに行きあたしはソファーの上に座った。
「はい、琴海」
紅茶を受け取りすぐに口を付けた。
「やっぱり先生の紅茶は美味しいね」
笑顔で言うと
「琴海」
先生が隣に座ってあたしの名前を呼んだ。
「……?」
首を傾げていると
「やっとオレのものになったんだな」
先生は、あたしの顔をスーッと撫でた。
「……っ」
恥ずかしさでいっぱいになった。