約束の空【完】

「せ…んせっ…」


あたしの呼吸は元に戻らない。


「綾野、ちょっと待っててな。すぐ楽にしてやるからな」


そう言ってあたしから離れた。


その光景を見守ることしかできない野上先生。


佐々原先生はすぐにあたしのところへ来てくれて、よくスーパーで見かける透明の袋をあたしの口へと持ってきて


「綾野。ゆーっくり先生と呼吸しような?」


言われ頷くあたし。


先生が


「スーーーッ」


っていうから吸って


「ハーーーッ」


っていうから吐いた。
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