約束の空【完】

「で?祐一郎、何があったか言えるよな?」


今までに聞いたことのない低い声にあたしはビビってしまった。


「ごめん。最初はイタズラ心で彼女を追い詰めたんだ。怯える顔が可愛くって更にイタズラしようとしたらごめんなさい、って謝ってきて。イイ子にするから、って。何でも言うこと聞くから、って。だから…叩かないで、パパって…。そしたら呼吸がおかしくなって…」


あたしそんなこと言ってたんだ…。


無意識だった…。


「綾野、言いたくなかったらイイけどお前両親は?」


佐々原先生の言葉に


「いません」


と、だけ答えた。
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