約束の空【完】

「あの、先生。それでお話なんですが…」


あ、そうだった…。


「はい」


先生は姿勢を正して七海ちゃんの話を聞いた。


「琴海から聞いてるか分かりませんが、うちには母も父もいません」


「はい、今日お聞きしました」


「そうですか。理由は聞いてますか…?」


「いえ、本人が話したくなった時に聞こうと思ったので」


あたしは二人の話をただ黙って聞いていた。


「そうでしたか…。琴海、自分で話す?」


七海ちゃんに聞かれ


「ううん、七海ちゃん話して?」


だって自分が話したら泣いちゃいそうだったから…。
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