約束の空【完】

「父はあたしたちとやり直したいと言ってきました。一年間離れてみて琴海のことも大切に思えた、と。そして父が琴海に手を触れた時…」


「過呼吸が起きたんですね…」


今まで黙って聞いてた先生が言った。


「はい、それくらい琴海の中で父は怖い存在だったんです…」


「綾野、ツライ思いしてきたんだな。ごめんな?」


「え?何で先生が謝るの…?」


「今日オレがいないせいで過呼吸をおこしてイヤな思いをさせてしまったから…」


「先生…」


先生の気持ちがとても嬉しかった。
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