腐っても、青春
「理系志望なんだ?」

大石が言った。


「一応ね」


声が、震えていないだろうか。
オレは、なんてことない会話ができているか自信がなかった。




なんで緊張なんかするんだ。



「予備校行ってる?」

大石は、人の目を見て話す癖があるらしい。

いや、躾が行き届いているのか?


きちんと制服を着こなした、姿勢のいい男を観察しながら考える。


「あぁ、駅前のYゼミ」


「ふぅん」


大石から返ってきたのは、相づちなのか、何なのか。



そして、オレから目を反らさずに、言葉を続ける。




 
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