キミに続く道...
休み時間 明乃は棗と恋話をしていた
「ねー、明乃は田口に告らないの?」
『ぇえ?急にどうしたの?』
明乃の隣の席で 頬杖をついている棗が聞いてきた
「いや、田口のこと…好きなんでしょ?」
なんだか目を細めて“白状しろ!”って言うような瞳で見てくる――
それに負けたように 溜息をつきながら
『そうだけど…』
棗はヒジで 明乃の体をグイグイと押してくる
「おい、正直に言え」
『いやねー…』
男子とじゃれ合う田口に目を向けながら...
『好きだからこそ…告りたくないみたいな?』
「………はぁ?」
想像はしていたけれど やっぱり意味がわからないようだ
だけど 実際そうゆう気持ちなんだもの――
『だからぁ…、このままの関係で今は十分なの!』
棗は 信じられないような目をしながら「本当にー?」と言うのだった
『うん…』
「なにヒロインぶってんだよー」
『いやいや…、真面目に言ってんですよっ』
冗談半分で明乃をからかう棗は 「へへへ」と声を出して笑っていた
彼女も笑顔は いつ見ても可愛らしくて 一緒にいる人まで笑顔になってしまいそうだ――
それに とってもおもしろい
彼氏がいるのも わかる気がする――
『まぁ…うちは、うちなりに頑張るよー』
すると棗は 少し間を置いてから「…どうだか」と呟いた
棗は 明乃のことをよくいじる
だけど 本当に辛いときは とっても頼りになる人なんだ
明乃の大事な大事な友達...
これだけは 誰がなんと言おうと 明乃の認める事実だ――
本当にね...