キミに続く道...






『え』

「だからー、うちも誕プレ欲しいって言ったら、気軽にくれたよ」


あ… 詠美だからあげたんじゃないんだ…


体中に溜まっていた不安が 一気に抜ける気がした




棗は 明乃がショックを受けているのに気にかけてくれたのだろうか…?


それとも 自慢げに言ったのだろうか…?




だけど 棗のことだから 気にかけてくれたんだろうと明乃は信じている――

「明乃も頼めば?」


『は?』


「田口に“誕プレちょうだい”って言ったらくれるよー」




明乃は『別にいいよ』と言いながらも 胸の中では“め…めちゃくちゃ欲しい…”と心臓を弾ませていた――


「本当―?」

『本当ですぅ!』


棗は「ふーん…」と言いながらも 信じきっていないような目をしていた




すると 詠美が明乃のもとへスキップをして来た――



「あーきーの★」






――ドクン


詠美は明乃の好きな人が田口だと知っている




だからこそ 何を言われるかちょっと不安だった――


「ねー見てみて★これ田口にもらったんだー!」





やっぱり…自慢だ――


明乃の想像通り



悪気はないのだろうけど やっぱり胸に引っかかる


『ふーん…。よかったね…』




「ぁあ!明乃妬いてるぅー★かわいーっ」


…は?



「怒らないの、怒らないの」





…何この子…









明乃は『うっさいなぁ!!!』って怒鳴りたかった――



だけど…――





『…妬いてないよー。うち、妬かない子だからー』





精一杯の笑顔を振舞った










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