キミに続く道...













「佐藤、CDありがとな!めっちゃ良かったよ」


明乃にCDを返すと また お互いの感想を述べ始めた


『でしょ?特に…“未来”がね』

「確か…ポカリのCMだったよな?」


『お!よく知ってるじゃん』


「あたりまえだろ」



そういい残して 彼は男子のもとに入っていった


「“かっこいい”ってか?」


後ろから 聞き覚えのある声…




『ぁあ…いつから聞いていたの…?』


「最初から」




彼女は 透里と同じで 明乃の恋を応援してくれている



―福原 棗―



彼女には彼氏がいる


学年でも評判のカップルだ

『だって…ねー』



「アタックしなよー」


『恥ずいじゃん!!!』



棗は田口のほうへ 人差し指を差し出した






すると 田口にベタベタとくっ付いているクラスの女子がいた


―加瀬 詠美 * kase eimi―



モデルをやっていて とっても可愛い女の子


彼氏がいるのに 田口や他の男子と良く話しているんだ

「ほーら、田口が取られちゃうよ」




『…』



はっきり言って 詠美は明乃から見ると 邪魔で仕方ない


自分より何倍も可愛い詠美に “いつかは取られるんじゃないか…”と考えてしまって…






「明乃、アタックだ!」


『――…なんて?』




「なんでもいいんだよ!ほら…」


棗は明乃の背中を押し込んで 田口の方に連れてった




「じゃあ、ファイト!…谷江~★」



押し込むだけ押し込んで 棗は彼氏のもとへ言ってしまった




“な…何はなせばいいんだろう…?”




そんな言葉が 頭の中を駆け巡っていた


考えれば考えるほど 真っ白になっちゃって...

考えれば考えるほど 不安になっちゃって...



でも…―――








『あ…あのさっ!』

「ん?」





田口が振り向くと また緊張してしまった









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