Dear...
耳元で囁かれ、瞬時に赤く染まる頬。

自分の手を彼の背中に回して、服を握り締める。


目を閉じて、片思いしていた時の自分に今の二人を見せてあげたいと思った。


「…ずっと、このまま……」


眠りに落ちる前のような、小さくて少したどたどしい声でそう言うと、さらに強く抱き締められる。


暖かかった。


本当に、心の奥から

暖かくて……。

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