Dear...
早く…早く、何か話さなければ。

そう思う気持ちが空回りして、言葉がついてこない。

でも、嬉しすぎて声が出ないのとは少し違う。


目の前に…真正面に、

彼がいる。


それだけで―――努力と呼べるかは微妙だけど―――今までの努力が実った気がした。


沈黙が苦手な私が、会話なしの状態で耐えられたのは、それだけではなく、その場が静かではなかったという事も理由の一つだったけれど。
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