Dear...
友人に視線を送ると、ニヤリと口元を吊り上げ、背中を軽くど突いてきた。


「…じゃあー、私はちょっと質問したい所があるから、下に行ってるわ。また後でね。」

「えっ!?あ、うん。」


意味深な表情で去った友を見送ると、彼に、いいのか?と尋ねられた。
友達について行かなくて良いのかという意味だ。

咄嗟に、いいのだと答えて、首を横に振った。


「そっか。大学はどう?もう慣れた?」


優しそうな笑顔。

あなたがそんな顔で私を見なければ、こんなに心が波立つこともなかったのに。


「…最近、大学生とかで変な風邪が流行ってるんだってな。大丈夫だった?」


いつも、あなたに心配されると泣きたくなる。

社交辞令でも良い。

それでも、嬉しすぎて胸が締め付けられて…。
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