Dear...
会えた事だけで、もうかなり嬉しかったし、話ができてすごく幸せだった。

けれど、私は何がなんでもアドレスを聞きたかった。

聞く必要があった。

繋がりを保つには、それしかないから。


「あー…私、もう予備校に遊びに来れないかも。バイトとか始めるんで。」


大学の話題が盛り上がった頃、そう切り出した。もちろん、この先どう会話を持って行けばいいのか考えながら。


「そうなのか。また色々と話したかったのに。」

「じゃあ、携帯のアドレス教えて下さいよ!」


心臓は、とっくに限界の動きをしている。
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