Dear...
普段メールなんかしない人が、「いつでもメールしていい」って言ってくれた。

返信が遅れる度に「ごめんね」と謝って来る。


予備校にいた時には憧れ程度でしかなかった“好き”が、いつしか本気になっていた。

仕方ないよね……?


もう、気持ちを隠しているのは限界だった。


―――だって、あなたは知らないでしょ?

似た車を見る度、運転席を凝視してしまう事。

背恰好が近い人を見掛ける度、目で追う事。

大学の男子を、あなたと比べてしまう事。


……何も、知らないんだ。


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