Dear...
それ以来、少しずつ慣れた私は、気軽に質問に行けるようになった。

そして、ある木曜日。

空き時間なので、コンビニにお菓子を買いに行って戻って来た私は、講師室で一人、イスに深く座って眠る彼を見つけた。


―――他の先生はいないのかな…。


試しに…と思い、一旦自習室に行ってから、今度聞く予定だった問題を持ち再び講師室へ行ってみた。まだ彼は一人で寝ている。


『先生…?あの…すいません…せーんせっ!』

『んん!?…あぁごめん!ホントごめん。』

『いーえ。他の先生っていないんですか?』

『うん。私だけ暇なんだ。』

『そんな事、ないじゃないですか。』


それから毎週木曜日は、先生に会いに行く日になっていった。
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