Dear...
日が落ちるのが早くなった晩夏の夕方は、時々冷たい風が吹き、今の私には心地良かった。


薄暗い外を確認し、校舎を出る。


「…あ、一番星?」


独り言を聞く人はいない。

ちらほらといる人は、ほとんどがサークル中で、私など気にも留めないから。


一番星を見つけたのが素直に嬉しくて、少し軽やかな足取りで門に向かった。
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