Dear...
「泣かないで。
本当は、大学前で会った時もこうして抱き締めたかったんだ。」
私は、好き過ぎて臆病になっていたんだ。
そして、先生も。
どちらかが歩み寄らなければ、先へは進まない―――進んではいけない関係だったから。
「君はまだ大学生だから、僕みたいなおじさんとメールしてるのは、きっと暇潰し程度だろう…って思うようにしてた。積極的にすると、気持ち悪いと思って。」
涙が止まらない私の頭を優しく撫でる手は、届かないと思いつつも授業中に見ていた手。私は、先生の背中にしがみついた。