Dear...
目の前に彼氏がいるのに、頭では違う人の事ばかり考えていた。

…あの人は今、何をやってるのだろう…?


私たちは、サークルの話で盛り上がったりするものの、友達と過ごすのとなんら変わりはない。


ずっとこのままの関係が続くように願ってしまう私は、ずるいのだろうか。


「今日、泊まっていい?」

急にそう切り出した彼を見ずに、

「なんで?」

とだけ答える。急に心臓の鼓動が速くなった。

「だめ?」

うん。だめ。
もう無理。だって…


「あのさ、私…やっぱり、付き合ってるって感じじゃないんだよね。」


彼を見ると、言葉が見当たらないかのように俯いていた。
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