Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】



『運転途中に、
 タイヤバーストさせた。

 悪いが雪貴、代わりの車手配して
 寄越してよ』


なんて勝手気ままな電話が
時折一方的にかかってくる
かなりきままな自由人。


そんな兄貴の自由すぎる生活に
ムカついたり、憧れたり。



俺の方は音楽って言っても
生粋のクラシック畑だったから
型にはめられた音楽の中で
もがいてて、息が詰まりそうだった。


ある日、何もかもが上手くいかなくて、
ピアノに八つ当たりしてた俺を
兄貴は、自分たちの練習している
スタジオに連れ出した。


兄貴を取り巻く
Ansyalのメンバーに触れて、
生まれて初めて、
ピアノ以外の楽器と深く関わった。



紀天【あきたか】さんが叩く
パワフルなドラム。

手足を巧みに操って、
様々なリズムを刻みだす音色。


その音色を支えるように
地鳴りをあげるのは、
託実【たくみ】さんのベース。


そこに、空間を切り裂くように
兄貴のギターが交わって、
兄貴の音色に呼応するように
もう一つの、祈【いのり】さんのギターが
重なっていく。



四つの音色に負けない声量で
紡がれる、十夜【とおや】さんのメッセージ。
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