Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
何もかも新鮮で……
瞬く間に魅了されていった。
面と向かって、
ギターを兄貴の前で練習するなんてことは
照れくさくて出来なかったけど、
その日から、兄貴がいない合間に
ギターの練習を始めた。
隠れながらギターを
練習し続ける俺を
近くで見守りながらも、
それ以上、深く干渉してくることはなかった。
ただ……何かと、
理由を付けて、俺をスタジオや、
LIVEハウス会場へと呼び出した。
そんな兄貴の呼び出しに、
素直に喜べないふりをしながら、
俺はその時間を楽しんでた。
クラシック以外の音楽の世界が
あまりにも新鮮すぎて、
そんなサウンドに触れていると
またピアノとの関わり方が変わってくる。
いろんなジャンルの音楽と交わる
その時間は、
ピアノに向かう
俺をもしっかりと支えてくれた。
兄貴が事故ったのは
Ansyal始動から
ちょうど1年目の
クリスマスイヴ。
都会には珍しく、
雪なんて降るもんだから、
雪に足を取られた車が
スリップして
兄貴を直撃した。