Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「唯ちゃん。
部屋、何処?」
催促するように
宮向井くんが声をかける。
「こっち」
私は彼を連れて
マンションの
エレベーターに乗り込み
八階のボタンを押した。
ゆっくりと浮上する感覚が
訪れて、エレベーターは
自宅の階へと到着する。
ドアが静かに開く。
「唯ちゃん。
ドア、開いたよ」
やっぱり、促すように言う
彼には逆らえなくて
エレベーターを出て、
トボトボと
自分の家の前に到着する。
「此処なんだけど……」
鞄から鍵を取り出す。
そして鍵穴にさして、
ゆっくりと回すとカチャリっと音がして
ロックが解除された。