Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「唯ちゃん。
サンキュー。
唯ちゃん、料理上手いな。
天才じゃん」
これくらいで
褒めて貰っても
申し訳ないんだけど
だけど彼の言葉は
嬉しくて。
食事が終わったら
彼はまた私もピアノを使って
Ansyalの曲を
アレンジしていく。
器楽奏用に。
洗物を終えて
そんな彼の隣に座って、
Ansyalのファンクラブ旅行の
申し込み手続きを
携帯からする私。
彼の紡ぐ音色は
Takaの音色と違った
指癖がなく
まっすぐな統一された音色。
宮向井くんの
長い指先から紡がれていく
Ansyalのメロディ-は
Ansyalの暖かくなるような
雰囲気とは違って
とても切なくて、
切なさの中でふと感じられる
ぬくもりが
見え隠れしている。
「唯ちゃん。どう?」
ピアノの手を止めて、
彼が私に問いかけてくる。