Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「唯ちゃん、凄いよ。
そっちの音があったんだ。
こっちしか思いつかなくて、
だけど、確かに違和感があってさ。
だったらその後は、
転調先にしてくるんだったら
こうだよな」
音楽室の時間再来。
一台のピアノを使って、
一つに椅子に腰かけた
私たちは、
ピアノを通して
お互いを理解し、
高めて、繋がりあう。
気が付いたら、
ピアノを弾き続けて、
三時間が過ぎようとしていた。
「あっ悪い、唯ちゃん。
思わず興奮した。
唯ちゃんは、
やっぱ最高の先生だよ。
器楽奏の編曲、
楽しみにしててよ。
唯ちゃんの命の恩人の曲
立派にアレンジして
クラスの皆で
プレゼントしてやるから。
今日は有難う。
病み上がりに長居してごめん。
明日はゆっくり休んで。
お休みなさい」
彼は19時頃、慌ただしく
部屋を出て行った。
シーンと
静まり返った部屋。
少しの物悲しさを
感じるのは何故?