Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「雪貴、別に隆雪を
真似るのが辛いならしなくてもいい。
オレは雪貴を身代わりにしたいわけじゃない」
突然、真剣な顔で切り込んできたのは
ボーカルの十夜さん。
「確かにな。
隆雪が入院して、ここまで活動を続けられたのは
確かに雪貴の力があったからだ。
けど……現状じゃ、隆雪が何時帰ってこれるかなんて
わかんねぇんだろ?」
十夜さんの突然の言葉の後、
憲さんが言葉を続けた。
祈さんは、ただ黙ったまま
自分のギターを見つめている。
託実さんは……
唇を噛みしめるように、
思いつめた表情を浮かべる。
……何やってるんだよ……。
兄貴が大切な居場所を
守るって決めたのは俺自身なのに
このままじゃ、
俺が兄貴の大切なもの壊しちゃう。
自分自身への苛立ちが募り、
許せなくなる。