Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】
「あの……真似るのが嫌なんじゃないです。
俺……すいません。
ちょっと頭、冷やしてきます」
口早に告げると
慌ててスタジオを出ていく。
地上の階段を上がって
細い裏路地に向かうと
何も言わずに、
その壁を
何度何度も拳を作って殴る。
どうした?
雪貴?
兄貴の代わりを務める。
兄貴の居場所を
俺自身で守るって
決めたんだろ。
誰かに強要されるんじゃなくて
俺から始めたことだろ。
その場所に
俺は居ない。
わかりきってた……
わかりきってたはずだろう。