Love Songを君に【Ansyalシリーズ TAKA編】



「これっ」



手渡されたのは小さな
デジタルプレーヤー。



「おいっ。

 隆雪に逢いに行くか…………」


託実さんがそう言うと
メンバー全員、
また一つになった。


俺たちはスタジオを後にして
託実さんの運転する車で
兄貴の病院に移動する。



朝、まだ面会時間が始まっていない
病院に入り込んで、
コソコソと兄貴の眠る病棟へと
移動する。



兄貴の病棟。
見知った顔の担当ナース。
美香ちゃん発見。



「……美香ちゃん……」



手招きして
美香ちゃんを呼び寄せる。




「雪貴くん。
 それにAnsyalの皆も」

「兄貴にあってもいい?
 報告したいことがあるんだ。
 すぐに帰るから」


美香ちゃんが静かに頷いたのを
確認すると俺たちは
兄貴の病室へと入っていった。




相変わらず、
機械に繋がれたまま
眠り続けている兄貴。



その兄貴の手を、
兄貴の親友たちは
順に手を握りながら
久々の会話をしていた。



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